オステオパシー。
A.T.ステイル医師により100年以上も前に考案され、
現代まで受け継がれてきた、手技療法では世界トップクラスの治療方法だ。
今回は、わたしがお世話になった治療法も含めてわかる限りの治療を紹介していこうと思う。
まずオステオパシーとは
オステオパシーとは
毎度のことだが、まずはオステオパシーについて簡潔に紹介してみよう。
詳しくはこちらを参照してほしい。
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鳥飼オステオパシー院で重度の坐骨神経痛を完治させた体験談!part4!
オステオパシーで重度の坐骨神経痛を完治させた体験談part4。今回はそもそもオステオパシーとは?というところに焦点を置いていこう。オステオパシーとは何なのか、。誰がいつ作ったのか。どんな治療法なのか。どれくらい認知されているのか。まだまだ日本では認知度が低いオステオパシーだが、世界ではすでに認められている治療技術。
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オステオパシーとは、
19世紀にA.T.ステイル医師により考案された徒手医学。
医師である自分が、髄膜炎にかかった子供たちを救えなかったことからオステオパシーの礎が始まった。
オステオパシーには、4つの重要な事項があり、
オステオパシーの4つの軸
- 身体は一つの集合体として、すべてが密接に関わっている。
- 動きや生理反応と身体そのもの構造自体は、絶妙なホメオスタシスという相互関係で成り立っている。
- あらゆる成分・物質を運んでいる動脈血こそが大事であり、この循環の具合が回復の進行度を左右する。
- 身体は元々、自己再生・自己治癒・自己改善能力を持っている。それを最大限に向上させることがオステオパシーの役目である。
この4つの中でも、【血液の循環】が治癒のカギになるとスティル医師は発見し、
筋骨格構造や内臓の位置などの不調を取り除くことで、血液循環が良くなり、身体中に酸素や免疫成分が行き渡り、神経の圧迫を取り除き、自律神経を整え、必要な箇所へ必要な成分が行き渡るようにすること。
それをオステオパシーで治療技術として患者の自己回復力を手伝うことがとても重要になる。
オステオパシーの治療技術
オステオパシーのいくつもある治療技術とは
オステオパシーは、
- 筋肉・骨・関節の可動域、内臓の位置や自律神経や体液(血液やリンパなど)、身体の歪みによる身体内部の圧迫などの調整
それを取り除いていくことで、筋肉や関節、内臓んどの位置の可動性や循環機能性の向上を促し、本来持っている自己回復力の循環具合を良くしていく。
だが言うは易く、行うは難し。
オステオパシーにたどり着き、そこから国家資格の取得や技術を身に付けるには、
最低でも日本の治療関係の【国家資格】レベルの知識が必要となっている。
※柔道整復師。理学療法士、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、作業療法士や看護師、アスレチックトレーナー、カイロプラクターなど高度な専門知識を有していないと、その上のレベルである”オステオパシー”の理解が難しい。
まずはざっくりだが、説明していこう。
オステオパシーを支える治療技術
- スティル・テクニック
- 直接法(ダイレクト・トリートメント)HVLA
- 頭蓋骨調整法(クラニアル・テクニック)
- Dr.サザーランドD.O.の靭帯性関節ストレイン
- 筋膜リリース
- 筋肉エネルギーテクニック
- 内臓マニピュレーション(VMT)
- 間接法(メカニカル・インダイレクト・テクニック)
- ストレイン&カウンターストレインR(SCS)
- ニューロ・マスキュラー・テクニック(NMT)
- トルク・アンワインディング
- ファシリテイテッド・ポジショナル・テクニック
- 無血手術とゼネラル・トリートメント
かなり多く見えるかもしれないが、
症状ごとに治療をするのであれば、細かく分けられている方が、より専門的にその症状に対して施術が出来る。
特殊なのも含めて紹介したので、この中から特に良く施術に使われるものをいくつかピックアップして、
説明をしていこう。
内臓オステオパシー
オステオパシーの内臓への施術
内臓マニピュレーション(VMT)とも呼ばれるこのオステオパシーの施術は、臓器本来の生理反応と働きの回復をむねとしている。
先ほど話したオステオパシーの治療技術らのいくつかに当てはまるのだが、
内臓の正常な生理反応が出来る状態と、臓器の正常な働き。
これは実際には臓器そのものの問題によるものだけでなく、隣接する他の臓器や神経系、そして関節や筋肉などにも深く関わってくる。
そのため、包括的に考えることで、【全体性の運動性】という感じで、相互に関わっていると言える。
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また臓器というのは、体幹内の様々な方向から掛かってくる”圧力”により、位置を保持している。
そのため、どこかが腫れる、どこかが縮小してしまうような状況になると、その体内に絶妙に臓器の各々にかかっている正常な”圧力”の分散力がおかしくなり、
安定性が壊れた臓器の働きは不調になっていってしまう。
内臓に対するオステオパシーの施術
内臓へのアプローチは難しい。
さきほども話した通り、
正常な生理反応としての機能、そして正常な働き、最後に正常な位置へと回復させることが治療のメインとなる。
そのためには、筋肉・骨に対する施術、そして頭蓋骨へのマニュピュレーションも一緒に使いながら、腹腔側から診断していき、
最小限の力と最大限の精度の技術による【傾聴】と言う診断法により、内部機能(内臓)障害を診断し、特定の臓器 の機能障害、そしてその起因となっている筋肉や骨、自律神経や神経系、循環器系(血液や体液など)へとオステオパシーを施術していくことが、主な療法となっていく。
ここでいう傾聴とは、
「傾聴」とは、オステオパシーの検査法であり、手を当てて体の声を聞くという事。
英語では“Listening”、そしてフランス語では“Écoute”といい、プライマリーという名の体の中の潜在的なトラウマを探し出せる。
そこを治療することで、全ての土台が回復していき、結果的に体に現れている症状も連鎖的に消失していく。
であると、お世話になっている先生から教わった。
患者が訴えているような表に出ている症状、そして患者が把握していないが原因となりうる体の内側の方の症状の両方を探し出すことで、
より正確な診断、そして正確な治療が行える。
もしかしたら、これが良い医師とあまり良くない医師との、明確な診断技術の差になっているのかもしれないと思う。
※ただし、熟練であればあるほど、不必要な施術は避け、必要最低限の施術だけで、自己回復力を上げることが出来る。
最終的には、身体全体的な(包括的な)オステオパシーのアプローチにより、
自身で、自身の体内の状態を自ら正常に持っていけるようになり、臓器たちが相互に反応し助力を再開し始めるのだ。
臓器関係が不調となると、まずは薬を飲もうとするだろう。
もちろんそれもまた正しい判断であり、世界を席巻している西洋医学に頼るのは普通なことだ。
その中で、
もし薬でも、接骨院でも、鍼灸院でも、整形外科でも内科でも、外科でも、循環器科でも呼吸器内科でも、
良くならなかった、効きが悪い、手術後の経過が良くない、他の疾患のせいで薬の組み合わせが悪いなど、
そんな時はオステオパシー院へと足を運んでみてほしい。
あなたを改善させてくれる治療は、実は、方法が他にあるのかもしれない。
関節オステオパシー
関節の炎症は通院のTOP3に入る原因の一つだ。
関節というのは実に複雑に出来ており、その形状自体も人それぞれ若干違うように出来ている。
そしてその関節の周りには、
- 体幹内なら臓器
- 大部分は筋肉
- 周りに取り囲むように張っている神経系や血管やリンパ管
- 関節内の構造(関節包や靱帯組織、軟骨など)
- そして身体全体を包み込むように覆っている筋膜
関節に関わる機能障害には、その部分の痛みではなく、これ以外のこれらの事項についても考慮しなければならない(全体性の法則)。
関節に付随している筋肉群へのアプローチが第一になってくるのだが、まずは付随する筋肉の筋収縮を正常に戻すようアプローチをしていく。
それにより、関節へ負担をかけている筋膜や筋肉の緊張を緩和していく。
関節や骨、筋肉へのオステオパシー
本当の原因はなんなのか。
筋膜や筋肉の拘縮などが解けていくにつれて、関節の構造へ掛かっていた圧迫が減っていき、また神経系の圧迫も一緒に減らしていく。
そうすることで、筋膜、筋肉と関節、そしてそれに関係する神経への圧迫などを取り除くことで、炎症や痛みを取り除いていく。
人間はすべての組織が、相互に関連している。
筋、関節、神経、血管やリンパ管などの相互的な正しい運動性の協調性を調整していき、
圧迫や癒着を取り除いていく。
筋膜とは
良く巷では【筋膜リリース】というのがあるのは知っている人も多いと思う。
筋膜とは、他の筋繊維や神経、臓器などを覆っている、その名の通り”膜”のようなものである。
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また筋膜はいくつかの層に分かれていて、筋収縮の滑りを助けたりする作用もあるため、
ストレッチの時に身体が固い人は、この筋膜の潤滑性の不調による影響が約40%もあると言われるほどだ。
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そしてこの筋膜内を神経や血管やリンパ管なども通っており、
筋膜になにか機能障害や炎症が起こると、上の器官、筋肉、隣接する臓器や神経系にまで被害が及ぶ。
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その異常の代表例は【拘縮】いわゆる”固く伸縮性が乏しい状態”である。
その状態をリリースするために編み出されたのが、筋膜リリースというストレッチの種類だ。
オステオパシーでは、筋肉・関節・骨などへのアプローチの中で、この【筋膜】という部位に対しても施術を行うこともあり、
一般的な基礎基本の整骨療法も取り入れながら、さらに深く原因を掘り下げていくために、このオステオパシーというのは痛みや炎症、不快感の回復・調整・再生には必要不可欠な要素だと、
わたしは思っている。
※事実、色んな一般的な接骨院、鍼灸院、果ては整形外科に行っても治らずに、結果的にロキソニンや消炎鎮痛剤を出されて、痛みが取れた!と錯覚していた。
→そのため痛みはすぐにぶり返す。
そして、筋膜に出来た炎症は、隣接する他の組織へと移っていくことが分かっている。
この関節の痛みや炎症、変形性関節症や事故や怪我による後発性の関節(骨)の歪み、そして関節に水が溜まるなど、
様々な要因はあると思うが、
手術や他の医院での治療後の反応を見てから、それでも上手く回復していかないなどがあれば、
オステオパシー院に頼るというのも良い選択肢として奨める。
実際の痛みの箇所へのオステオパシー受けてみて
鳥飼オステオパシー院でお世話になっている。
その治療は、基本ソフトな治療であり、痛みが出るような施術は無い。
原因を早急に発見し、頭蓋~仙骨、痛みのある組織の周辺組織へのオステオパシーを施していく。
イメージとしては、スパやサロンに近いかもしれない。
詳しくはこちらも見てほしい。
鳥飼オステオパシーで重度の坐骨神経痛を完治させた体験談!part3
本当にソフトな施術だ。
わたしの坐骨神経痛の体験談を話すならば、
- 痛くない。
- 痛みのある腰椎周辺、そして痛みが強い臀部を掌底で軽く圧迫する感じ。
- そして腰椎は背骨の一部のため、頭蓋骨へのアプローチ。これは仰向けで頭頂部や側頭部を軽く触れているだけ。
なにかマッサージをするわけでもなく、また強く押したりすることも無い。
どちらかといえば、ずっとその個所に触れ続けている感じに近いかもしれない。
長くなったので、今回はここまで。
次回は現代では主流となっている頭蓋骨オステオパシーについて話していこう。