膝の痛み。
それは、結構な確率で、急激に襲ってくる。
あれ?なんかしゃがむと膝が痛いぞ、
膝のお皿(膝蓋骨)の上が痛んでしゃがむのが辛いぞ、
朝に起き上がれないぞ、
膝のお皿(膝蓋骨)の下や横も痛むけどなんだこれは?
物事には必ず【原因】があり、それに対して身体は正直に反応してくれるもの。
そして基本的には、からだのどんな不調も、治せないものはないということ。(ステージ4の悪性腫瘍や○○○万人に1人の確率でなるような難病・奇病も、これから先、いつかは必ず治療薬が見つかる。)
今回はわたしがここ最近、急な膝の痛みにより、かかりつけの先生(鳥飼オステオパシー院)へ行き、
症状~治療~現在の状態までの体験談を書き綴っていこうと思う。
読んでわかること。
- 膝の構造や筋肉、そして機能
- 膝の痛みの症状と予測した傷害
- オステオパシーによる治療とその後経過
まず膝の基本的な詳細と機能から
膝ってどんな器官?
膝関節とは、人体の中でも最も大きな関節であり、蝶番関節に分類されている。(蝶が羽を動かすような、開く・閉じるのみに特化した関節)
この関節に対して横からの圧力や捻じれる力などが掛かってしまうと、炎症や痛み、最悪関節内の靱帯や周囲の筋肉の断裂などを引き起こしてしまう。
それを防ぐために、膝の関節周りには、強く太い筋肉たちが、上から下から横からと、前後左右斜めに張り巡ることで、支えているのだ。
膝の黒子役!膝蓋骨とは
膝蓋骨とは、膝のお皿のことであり、種子骨である。
この膝蓋骨は、太ももの筋肉である大腿四頭筋と膝蓋靱帯に覆われており、筋肉の下で滑車のような役目を果たすことで、効率よく下腿(膝下)を上げ下げすることが可能になっている。
膝関節は”大腿脛骨関節”とも呼ばれることがあり、その機能は屈曲と伸展動作(膝の曲げ伸ばし)のみ。
しかし、屈曲時(膝曲げた状態)では、若干の内旋・外旋(足の平で左右にバイバイする感じ)も可能になるため、車軸としての機能も若干だが併せ持つ。
膝の構造を少し知ってみよう!
膝の複雑な構造をみてみよう。
膝の機能自体はすごくシンプルである反面、自体重が常にかかり、ジャンプなどで体重の3倍以上も負荷が掛かってくる膝は、
その負荷を効率よく分散させるために、複雑な構造をしている。
筋肉については下の項で説明をするので、まずは膝の靱帯を説明していこう。
膝に関わる靱帯について
白いの全部靱帯と筋肉
上の図解のグレーっぽい色で縦横無尽に走っている筋が靱帯で、水色が関節軟骨だ。
膝には静的な安定を与えるために、”靱帯”が十字に巡っており、大腿四頭筋とハムストリングスは、動的な安定性を担っている。
膝に関わる靱帯たち
- 前十字靭帯/後十字靭帯と共に重要。膝の前方・後方及び回旋の動きの時の安定性に関わる。
- 後十字靭帯/同上。
- 外側側副靭帯/大腿骨と腓骨をつなぐ靱帯で、そこまでストレスを受けることは無い。
- 内側側副靭帯/膝に対して外側からのストレス(力)に対しての安定性に関わる。
- 横靱帯/※省略
- 後半月大腿靱帯/※省略
他にも靱帯はあるが、とりあえず代表的なものを説明しておいた。
また、膝関節の膝蓋骨の下の関節軟骨(関節包・滑膜腔)内では、滑液で満たされており、それぞれが滑液包として存在している。
この滑液包が10個以上あることで、ショック吸収と摩擦の軽減に役立っている。
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そして膝関節とは、
太ももの大腿骨と脛の脛骨の両方をつなぐ関節であり、膝の関節の周りには関節軟骨があり、その間にはクッション材として重要な役割を持っている、半月板というのが存在している。
この、半月板は脛骨(すねの骨)にくっついており、重力により上からの体重を大腿骨を通して、この半月板で支える形になっている。
そのため、場所によって薄かったり、厚かったりしており、体重や衝撃の分散に役立っている。
しかし、急な方向転換や膝を起点にした捻じれるような強い動作がもたらされた場合、この半月板及び靱帯たちは、
対応しきれずに、最悪の場合断裂という状態になってしまう。(靱帯には伸縮力はないため、伸びることなく断裂になってしまう。)
こうならないためにも、日頃から膝関節周りの筋肉のトレーニングそして柔軟性をやっておくことを強くすすめる。
大人になって急に動いたりしたときに、よく膝の靱帯断裂やアキレス腱断裂するなどの話も良く聞く。
十分ウォーミングアップをして、体温を十分に温めてからにしよう。
膝に関わる筋肉たち
こんなにも複雑な構造で絡み合っている
ここでは、膝の関節に深く関わっていて、なおかつ膝関節を強固に支えている筋肉たちを紹介していこう。
上の図解を見てわかる通り、複雑かつ多くの様々な筋肉が絡み合うように、膝を包んでいる。
誰がこうやって考えたのかは分からないが、生命が海から陸へ上がり、地上で生き始めてから、重力や歩く・走るという動作に対応するために進化してきた結果が、今こうなっているのだ。
これ以上進化はせず、地上ではこれが人の最終形態となっている。笑
詳しい筋肉たちの図解と詳細はこちら。
膝関節に属する筋肉
- 大腿四頭筋(大腿直筋、外側広筋、中間広筋、内側広筋)
- ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
- 膝窩筋
- (縫工筋)
- 薄筋
※下腿(膝下)にある腓腹筋という筋肉は太ももの骨にくっついているため、膝周りの関節ともいえるが、メインはアキレス腱の収縮(足首の曲げ伸ばし)に関与するため、ここでは省かせてもらう。
この上の筋肉たちを含む12の優秀な筋肉によって、たった上に1本、下に1~2本しかない脚をつなぎ合わせ、そして歩いたり、走ったり、座ったりするときに、骨がズレたり外れたりすることなくいられるのだ。
代表的な膝周りのケガ
膝には色んなけががある
しかしそんな膝も、
やはり疲労が溜まっていたり、アライメント(姿勢)が悪かったり、急な方向転換や外からの衝撃などにより、骨自体が損傷又は周りの筋肉などが炎症してしまう。
ここでは代表的な膝関節周辺のケガを簡単に紹介していこう。
オスグッドーシュラッター
膝の下が痛くなる症状。
膝の下が隆起し、膝蓋靱帯(大腿四頭筋”太ももの筋肉”)が付着している脛の骨にて、骨との分離並びに炎症により激しい痛みがある。
膝の下が隆起してくるのが特徴的。基本的な治療は安静やギプス固定。
膝蓋靱帯炎
ジャンプなどの動作をよくすることで発症する。
膝蓋靱帯(大腿四頭筋)への過度な負荷による炎症により、膝蓋骨(膝の皿)の上又は下に痛み及び腫脹が見られる。
ハムストリングス(太もも裏筋肉)と大腿四頭筋(太ももの筋肉)を鍛え、柔軟性を上げておくことで予防出来る。
膝の靱帯の捻挫
捻挫には段階があり、
- 第一度捻挫:1つ以上の靱帯や組織が引き伸ばされている状態。軽度の症状になり、不快感や局所的な痛み、軽い腫脹など。
- 第二度捻挫:1つ以上に靱帯が一部断裂(繋がってはいる)の状態。痛み・腫脹・機能障害・圧痛(押すと痛い)など。
- 第三度捻挫:1つ以上の靱帯が完全に断裂。関節が不安定になり、激痛、急激な腫脹、圧痛、骨折の可能性もある。
と、段階的になっており、1度までなら自己治癒でも回復が可能限界になる。
ACL(前十字靭帯)損傷
膝の外傷の中で有名なケガ。
バスケやサッカー、ハンドボールなどで急激な方向転換をした時や、アルペンスキーやハーフパイプなどで着地の時に膝の捻転により負傷することが多い。
アイスホッケーやサッカーなどのコンタクト時には外からの衝撃により外側側副靭帯(MCL靱帯)の損傷も同様に多い。
損傷(断裂)時には、音が聞こえたり、激し痛み、出血による腫脹も観測できる。
また、脛骨(すねの骨)との安定性が崩れ、膝よりも脛が前に出てくるのが特徴的。
腸脛靭帯炎
別名:ランナー膝とも呼ばれ、ランナーに多いケガ。
腸脛靭帯は膝の外側を通っているのだが、繰り返す膝の屈曲運動により、大腿骨外側顆(太ももの骨の膝側の外側のぼっこり)と擦れるようになり、痛みが発生する症状だ。
基本はオーバーユース、要はやりすぎによるものが主な原因になる。
他にも内反膝や硬いシューズや硬い路面なども原因となりうる。
変形性膝関節症
40代以降に多いこの変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減っていくことで起こる。
歩行時は大丈夫なのだが、階段や正座など膝を屈曲する動作の時に痛みが出るのが特徴で、進行するに従い、O脚になっていく。
また、レントゲン検査では関節の軟骨の状態までは分からないため、MRIなどを使用するのがより精査出来る。
進行していくと、寝ているときでも痛みがあるため、生活の質が著しく下がる場合がある。
治療には手術(人工膝関節置換術)や痛み止め、ストレッチなどの運動療法などがある。
ここまで説明が長くなってしまったので、次回の記事に続く。