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懸垂(チンニング)の効果やフォーム、使う筋肉などをわかりやすくまとめてみた
懸垂/チンニングとはいったいどういうトレーニングなのか。そもそもどういうフォームのやり方が良いのか。どこの筋肉に効くと良いのか。懸垂/チンニングをすることでどんな効果を得られるのか。初心者の人から、上級者の復習にも使えるように、分かりやすくまとめた。また、別記事にてフォームと筋肉について詳しく解説していこうと思う。
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前回は、久しぶりの更新で、懸垂/チンニングについてまとめを書いた。
そして今回は、
その懸垂/チンニングで鍛えられる筋肉についてもう少し詳しく説明をしていこうと思う。
懸垂で鍛えられる筋肉は?
懸垂の恩恵はいったいどこが受けるのだろう。
まずはざっくりだが、紹介しよう。
- 僧帽筋
- 広背筋
- 大円筋・小円筋
- 大菱形筋・小菱形筋
- 三角筋後部(肩の後ろ)
- 上腕二頭筋
- 前腕筋群
基本的にはこれが動員(使われる)することで、懸垂/チンニングという一つの動作を行える。
逆に言えば、どれかが欠けてしまうと、バランスを崩し、左右で不均等な筋肉の付き方や、ターゲットとなる部位に刺激が入らないなどの弊害が起こりやすい。
特にこの中でも主働筋や多働筋と呼ばれる、いわゆるメインで鍛える筋肉は、
- 広背筋
- 大円筋
- 上腕二頭筋
- 前腕筋群(上腕筋・腕橈骨筋など)
- 大菱形筋
と、覚えておけばとりあえず安心だ。
※前腕筋群はとても細かく、すべて説明するのはココではここでは省かせてもらう。
いつか機会があれば記事にしてみよう。(めちゃくちゃ長くなるよ笑)
それではここから上の5つの筋肉を深掘りしていこう。
後ろ姿を美しくさせる広背筋
脇周りのぼこぼこしてる箇所。
上の写真を見ると、ちょうど体幹横~下に向かって、脇辺りがとても発達しているのが分かると思う。
このように広背筋は、人体の中で最も広い筋肉であり、背中の真ん中から横~下側までカバーしている筋肉でもある。
広背筋一つで見た目ががらりと変わる。
解剖図を見るとこんな感じだ。
脊柱があり、肩甲骨があり、見ればその大きさがなんとなくでもわかると思う。
広背筋の解剖学的詳細
起始:腸骨稜後面、仙骨後面、第7胸椎~第5腰椎
停止:上腕骨の小結節稜
機能:肩関節の内転、伸展、内旋、水平伸展
支配神経:胸背神経(C6.7.8)
ここは少し難しいので、特にトレーナーや医療従事者などでなければスルーでOK。
要するに広背筋という筋肉が、
- どこからどこまで繋がっているのか
- どういう機能(働き)があるのか
- どこの神経経路で動いているのか
という感じだ。
※支配神経に関しては、例えば事故などでその場所の神経(脊柱)を痛めたりすると、それに付随する筋肉も麻痺するという感じだ。
この広背筋が必要とされるのは、
こんな時!
ボート競技
クライミング系の競技
柔道の引き手
格闘家のパンチ
消防士の綱登りや綱渡りの訓練
雲梯
敵に攻められ、崖に落とされそうになった時
台が無いのに、高い場所に上るとき
木登り
綱引き
体操競技の吊り輪
など、何かを自分の方に引くときに一番必要とされる筋肉が広背筋だ。
広背筋を支える大円筋
縁の下の力持ち。
広背筋の下にあり、広背筋のサポートをする筋肉として有名な大円筋や小円筋。
ここでは大円筋について紹介していこう。
こいつも大事
作用は基本的には広背筋と同じ。
大円筋
起始:肩甲骨下角後面
停止:上腕骨の小結節稜
機能:肩関節の内転、伸展、内旋
支配神経:肩甲下神経(C5,6,7)
触診も可能な筋肉であり、広背筋と共に【引く】という作用に深く関わる。
広背筋と共に大円筋は、
懸垂以外のトレーニングだと、
- ダンベルロウ
- ベントオーバーローイング
- インバーテッドロウ
- ラットプルダウン(マシン)
- ローイングマシン
- Tバーローイング
などでも十分鍛えることが可能だ。
背中の真ん中で引く力を生み出す菱形筋
背中こそ鍛えるべき箇所
背中の真ん中に位置するこの菱形筋(大菱形筋・小菱形筋)は、正面から自分の方へ”引く”という作用において非常に強く関わってくる筋肉。
アカシアオンライン
強力な”引き付ける”力を生み出す大菱形筋は、
大菱形筋
起始:第7頸椎~第5胸椎
停止:肩甲骨の内側縁
機能:肩甲骨の内転、下方回旋、挙上
支配神経:肩甲背神経(C5)
という解剖学的詳細だ。
懸垂やローイング系の種目などの時などに強く働き、
日常であれば、重いものを持ったりするときなどに働く。
※肩を挙上して僧帽筋を鍛えるシュラッグの時は、僧帽筋と共に菱形筋が一緒に働くので、一緒に鍛えることも可能だ。
上に肩をすくむだけでなく、肩甲骨も一緒に寄せるようにすると、僧帽筋の上部の厚みを作ることが出来る。
力こぶなら上腕二頭筋
力の証明。上腕二頭筋!
男性ならだれしもが憧れるであろう大きくて強い腕。
その代表的な筋肉が上腕二頭筋だ。
アーノルド・シュワルツェネッガーの上腕二頭筋は度肝を抜かれたものだ。
あれはもはや天性の形である。
どこまで上腕二頭筋は強くなれるのか
注意ポイント
起始:長頭/肩甲骨の上結節・短頭/烏口突起
停止:橈骨粗面、上腕二頭筋腱膜
機能:肘関節の屈曲、前腕の回外、肩関節の屈曲の補助
支配神経:筋皮神経(C5,6)
特にアームレスリングの選手は、世界でもトップクラスに強い上腕二頭筋を持っているし、世界でも一番鍛えている部類だろう。
バーベルカールだけで170キロを挙げるデニス・シプレンコフのような選手もいるし、
片手のプリーチャーカールで130キロを耐えるレヴァン・サギナシュビリのようなセンスもいるし、
鍛え方次第では、上腕二頭筋は人体の筋肉の中でも最強の一角になりうるのだ。
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単純にそこまで懸垂/チンニングのフォームを気にしないでやるのなら、
上腕二頭筋を鍛えた方が、やりやすくなるし、回数も負荷も強く対応できる。
懸垂の為に上腕二頭筋を鍛えるのか、
懸垂により上腕二頭筋を鍛えるのか、
鳥が先か卵が先か問題になるが、どちらにしても、高度に、どちらも鍛えることを薦める。
ポパイのような前腕を
上腕よりも前腕の方が見られる。
上腕二頭筋や上腕三頭筋を鍛える人は、多いはずだ。
Tシャツの袖から出るたくましい二の腕。
女性なら二の腕が引き締まった上腕で、ノースリーブなんてお手の物だ。
二の腕と呼ばれるこの上腕部は、
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
でほぼ出来ている。
しかも鍛えればちゃんと太くなってくれるので、ここばかり鍛える人もいるぐらいだ。
だがその先に目を向けたときに、どうだろう。
前腕部はあまり鍛えていないために、上腕に比べて、非対称な細さの人を見たことがないだろうか。
グリップなどばかり使い、上腕二頭筋も回外位ばかりで鍛えていると、上腕ばかり発達し、前腕は疎かになりやすい。
※アームレスリングは前腕の強さが特に必要になるため、力こぶだけムキムキなのに、案外強くない人がいるのは、この前腕部を鍛えてない証拠だ。
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以前、居酒屋で腕がわたしより太い人に絡まれて腕相撲をしようと挑まれたことがある。
結果はもちろん言わなくてもわかる通り(^^)
左右どちらもわたしより太かったが、かく【強さ】という面では太さでは測れないということだ。
まずは代表的な上腕筋
ここで前腕部の筋肉をすべて紹介するのはなかなか厳しいため、特に一番重要かつ大きな筋肉を2つ紹介していこう。
大事。めちゃくちゃ。
上腕と前腕部のだいたい中間部に在る筋肉。
上腕二頭筋よりも肘関節の屈曲の作用が強く、筋長が短いため、力も強く発揮しやすい。
肘を曲げる純粋な動作の上腕筋
起始:上腕骨中部前面
停止:尺骨粗面
機能:肘関節の屈曲
神経:筋皮神経(C5,6)
上腕筋は前腕の骨(尺骨と橈骨)の中でも、固定されている(回らない)尺骨についているため、純粋に肘を曲げる時に使われるため、
- アームレスリング
- 懸垂
- クライミング系
- バーベルやダンベルカール系
などでフルに使われる。
もちろん懸垂/チンニングでもフル活用され、ここが弱いと、身体を上まで引き上げられない。
そして腕橈骨筋
親指側最強説
腕橈骨筋は過小評価されやすいかもしれない。
一番つらい時、例えば、
- 懸垂の引き上げる時の最後2~3レップの一番辛い時
- アームレスリングで力が相手と拮抗してしまっている時
- ローイング系で最後の引き切る時
など、
肘を曲げる時に、一番負荷が掛かっている時に作用が高まる。
注意ポイント
起始:上腕骨外側下部
停止:橈骨茎状突起
機能:肘の屈曲、途中までの回内と回外
神経:橈骨神経(C5,6)
特にハンマーカールや握りを縦にした状態で肘を曲げる時に強く働くため、
ニュートラルグリップ(ハンマーグリップ)での握りで懸垂をやると効率的に鍛えやすい。
懸垂で上半身と腕を鍛え上げよう
極限まで鍛え上げよう
広背筋などの背中の筋肉、
上腕二頭筋や前腕筋群などの腕の筋肉など。
懸垂/チンニングでは上半身の上部を効率的に鍛え上げることが出来る。
今年の夏は、懸垂を積極的に取り入れ、ボディメイクに力を入れよう!