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ベンチプレス。
トレーニングをしている人、またこれから始めようとする人などたくさんのトレーニーがいますが、
世界中ほとんどの人がやっているであろう、上半身の代表的な種目。
今回はベンチプレスについて書いていこうと思います。
この記事で分かること
- ベンチプレスの効果
- 鍛えられる筋肉
- ベンチプレスの正しいフォーム
ベンチプレスの効果
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ベンチプレスとはその名の通り、ベンチに横になり、バーベルを上へプレスするトレーニング。
一見、動作自体はすごくシンプルですが、その一つ一つの動作を切り取ってみると、様々な工夫や意識すべきことがたくさんある。
そんな上半身の代表的なトレーニングでもあります。
このベンチプレスをしていくことで、
- 分厚い胸板が作れる/バストアップ効果大
- たくましい腕(三頭筋)/引き締まった二の腕
- フォーム作りのために、骨格的な正しい姿勢の習得
など、アスリートの分野からダイエット・シェイプアップの分野まで幅広く素晴らしい効果をもたらせてくれます。
身体の前側をスペシャルに作り出してくれるこのベンチプレスを、ケガなどない限りやらない理由はありません。
鍛えられる筋肉を紹介!
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ベンチプレスは、肩関節・肘関節に関わる筋肉が使われており、主に大胸筋/上腕三頭筋/三角筋の3つを連動し動作を行います。
ここではこの3つの筋肉を紹介していきます。
主働筋:大胸筋
身体前面の胸板ならこれ
- 主な働き:肘を内転、屈曲
- 支配神経:内側・外側胸神経(鎖骨部:C5~C6/胸肋部:C7~T1)
- 起始部:鎖骨、胸骨、外腹斜筋腱膜
- 停止部:上腕骨の大結節稜
大胸筋は、身体の前側の肋骨を左右合わせて、ほぼすべて埋めている筋肉。
そのため、開いた腕を、身体の前で閉じるような動きの時に良く働きます。
胸と脇は開きながら
ベンチプレスでバーベルを落としていく時は、胸を開き、腕が外側へ開いていきます。
この時に、一番負荷が掛かるのがこの大胸筋です。
協働筋:上腕三頭筋
腕の裏側の筋肉
- 主な働き:前腕を伸展。腕の外転、伸展、内転時に上腕骨頭の安定。
- 支配神経:橈骨神経(C6~C8)
- 起始部:長頭(二の腕内側)肩甲骨の下結節/外側頭(二の腕外側)上腕骨の上部後面
- 停止部:尺骨(肘頭)⇒肘の裏
言葉は難しいですが、要するに肘を伸ばす・後方へ腕を上げていく時に働く筋肉です。
この上腕三頭筋は、前側についている力こぶの上腕二頭筋よりも筋肉が太いため、腕を太くしたい場合は上腕三頭筋を鍛える方が適していると言えます。
また一方で、二の腕のプルプルをどうにかしたい!と言う方も、この上腕三頭筋を鍛えることで引き締めていくことが可能になります。
この上腕三頭筋は、上半身のプレスという動作の時には必ず使われる筋肉
ベンチプレス以外にもショルダープレスなど肩の筋肉がメインの時にも、よく働きます。
そのため、強くなりやすい反面、停止部の筋肉の付着部である肘を痛めやすいという面も考慮しなければなりません。
プレス動作では欠かせない反面、怪我すればトレーニングメニューの大半が出来なくなる。
協働筋:三角筋
肩を丸めこむような形の筋肉
- 主な働き:腕を屈曲、外転、伸展
- 支配神経:腋窩神経(C5~C6)
- 起始部:鎖骨外側1/3、肩峰、肩甲骨の肩甲棘(後ろ側の肩甲骨の上部内側の端)
- 停止部:上腕骨粗面
三角筋も上腕三頭筋と同じく、プレス系の種目の時によく働きます。
そして肩幅を広く作ってくれるため、男性には嬉しい筋肉。
前、横、後ろから見ても綺麗な肩回りを
また、二の腕も肩の後ろの部分が大きく被さっているため、上腕三頭筋と含めて三角筋を鍛えることで、二の腕の引き締めと後ろから見たときの肩回りのスッキリ具合にもとても影響してくる筋肉です。
フォームを見てみよう!
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ベンチプレスは、バーベルを胸に落とし、そしてプレスしていく、とてもシンプルなトレーニング。
ですがその1回を、正確なフォームで挙げるためには、動作中に意識すべきことが多くあります。
なぜなら、負荷を挙げていくと筋肉や関節への負担が増えていき、ケガを容易に引き起こしてしまうからです。
詳しく見ていきましょう。
フォームで大事なのは3つ!
何万回やってもまずはここから全てが始まる
ベンチプレスをするうえで大事なのは、
- 肩甲骨を寄せる
- 背中のアーチを作る
- バーを握った時に手首を反らない
この3点です。
ベンチに仰向けになり、いきなりバーベルを持つ人はほぼ0に等しいでしょう。
仰向けになってからバーベルを握るまでが、ベンチプレスの集大成と言っても過言ではありません。
胸と脇は開きながら
この寝ている状態で、完ぺきにフォームを作りあげてから、初めてバーベルを持つことが出来ます。
順番に書いていくと、
- 仰向けになる
- 肩甲骨を寄せる
- 背中のアーチを作る
- その状態でキープしたまま、バーを適度な幅で握る
- お尻を付けたまま、足は踏ん張り気味で
ここまで来てようやく、ラックアップ出来ます。
背中のアーチを作ろう!
実際にやってみると難しさが分かる
肩甲骨を寄せるのは分かると思いますが、背中のアーチを作るとは?と、最初の方ではなるかと思います。
簡単に説明をすると、
- 肩甲骨の下辺りからお尻までを反らせる
- みぞおちが一番トップに来る
- 顎を引く
横から見たときに、空に掛かった虹のようなアーチが、お尻から肩甲骨に掛けて作れているかが重要です。
これはベンチプレスの際に、肩関節への負担を減らすために必ずやらなければなりません。
上手い人ほど、またベンチプレスを生業としているプロの人ほど、この初期動作に時間を掛けてバーベルを持つ前にフォームを完全に作り上げます。
手幅を決めよう!
手幅は人それぞれ
手幅の位置については、基本的な位置はバーベルの左右に2本ある線の内側の方。
ここが81㎝ラインと呼ばれる位置で、ここを目安に指の場所を決めていきます。
この線を境に、
- 親指が内側へ行くと、刺激が上腕三頭筋寄りになる
- 親指が外側へ行くと、大胸筋により刺激が入る
これが一般的な認識になります。
ナローなら、腕を太くしやすい
ベンチに仰向けになり、脇を軽く(実際は70度前後)広げ、そこで肘を90度にセット。
その時に、真上にあるバーベルの位置で握るとちょうどよいかもしれません。
握り方(グリップ)について
握り方に関しては、人によりますが、
親指もしっかり使い掴む感じの握りと、サムレス(親指を他の4本指と一緒に上から5本で挟む感じ)の握り方と2種類あります。
どちらでも持ちやすい方で良いと思いますが、共通しているのは、手の平ではなくしっかりと手首の真上にバーベルを置くこと。
前腕の真上でしっかりとバーベルを置く感覚、掌底に乗せるような感じでやると手首を痛めずに、また力も出しやすくなります。
実際にベンチプレスをしていこう!
しっかりやれば君もパーフェクトボディ
ここまで、
- 肩甲骨を寄せて、背中のアーチを作る
- 手幅を決める
- 握り方
まで解説しました。
ベンチプレスの動作はこの身体の状態をキープしたまま行います。
- バーベルを落とす場所は、アーチのてっぺんの胸の下辺り~みぞおち。
- 約2秒ほどで下げていき、反動をつけずに挙げる。
- この時、しっかりと手首が反らないように、掌底の部分で押すイメージ。
この一連の動作を無意識に出来るようになるまでは、まずは軽い負荷でひたすら練習をしてください!
※呼吸の仕方については次章を参考に。
関連記事:
長くなるため別記事でフォームを動画付きで解説してます。
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【筋トレフォーム】ベンチプレスのフォームを分かりやすく解説!(動画付き)
筋トレフォームシリーズ!今回はベンチプレスのフォームの作り方と注意点についての記事です。世界中でトレーニングしている人が多い、ビッグ3の一角であるベンチプレス。フォーム作りで、一番大切な背中のアーチの作り方/腕の長さによって変わる手幅の位置/そして握り方などを詳しく説明していきます。
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呼吸の仕方と腹圧について
ベンチプレスのような無酸素運動の場合、基本的には何十回、何十分と連続で繰り返して、何十セットもやることはほとんどしません。
特異的な要素のあるスポーツ競技などであれば話は別ですが(マラソンや10,000m走など)、
基本的には何度も呼吸をするのではなく、逆に息を吸ってから止めたまま動作を行うことが多いです。
そのため、ラックからバーを外した時に息を止め、バーを胸の位置までスムーズに下げていき、その後挙げきる手前で吐き始めます。
基本的な呼吸は、この動作が一つの流れになります。
バルサルバ法について
でも力みすぎは禁物です。
お腹に力を入れる=巻いているベルトを、息を吸って腹筋に力を入れてお腹でベルトをパンパンにさせる=腹圧がかかっている状態になります。
この息を止めて腹圧(胸圧)をかけることをバルサルバ法と言います。
バルサルバ効果について
- 腹圧をかけると胸腔内圧が上昇します。
この時息を止めて腹筋に力を入れることで筋肉が緊張し、血圧が上昇して心拍が早まることで瞬間的なパワーが上がることです。
- 重いものを持つときや妊婦さんが出産するときにお腹に力を入れるのもこのバルサルバ効果で、
一時的に筋出力が向上します。
※ただし力みすぎると「眼底出血」や急激な血圧の上昇・低下により、 ふらつきや立ちくらみが起こることもあるので、息の止め過ぎには注意しましょう。
この腹圧が掛かっている状態は、
ベルトや自身の腹筋による外部からの圧力、そして呼吸による内部からの圧力により動作中の体幹を固定してくれます。
まとめ
- 肩甲骨を寄せて、背中のアーチを作る。この縦と横のラインの意識しながらやってみよう。
- 絶対に無理な重さを持たないように重量設定には注意しよう。
ベンチプレスの目的別/回数・セット数
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トレーニングにおいて回数・セット数はとても重要になります。 トレーナーや指導者に当たる人は、目的別に回数・セット数を作っていくのが基本になります。
例えばダイエットがメインの場合は最大筋力をつける必要はないため、10RM以上の負荷は基本的に要りません。
※このRMというのはいうのは、レペティション・マキシマム(Repethitoin Maximum)の頭文字をとった略語です。 簡単に言うと、筋力を何%使っている時に、何回こなせるかという一つの目安になります。
(例)例えばスクワットが一回上げるのが100キロの人の場合、 100キロが1RM(1回)になり、10RM(10回)やる場合は75キロ前後が目安になってきます。
詳しくは下に表を作ってあるので参考にしてみてください。
100% | 1RM:筋力 |
95% | 2RM:筋力 |
90% | 4RM:筋力 |
85% | 6RM:筋力 |
80% | 8RM:筋力・筋肥大 |
75% | 10RM:筋肥大 |
70% | 12RM:筋肥大 |
65% | 16RM:筋肥大 |
60% | 20RM以下:筋持久力 |
50% | 30RM程度:フォーム・テクニック習得 |
ダイエット/シェイプアップなら
ダイエットがメインの人の場合はまずは代謝を良くしなければなりません。
そのため筋肉を大きく、そして増やしていかないといけないため、
筋肥大メニューである、
- 回数は10~20回
- セット数は3~5セット
- レストは60秒~90秒/※参考水準
をベースにトレーニングメニューを組んでいきます。
※(↑ベンチプレスのみで、+他に1~3種類の脚やお尻や腿裏などのトレーニングメニューを組み合わせていきます。)
この時、週にベンチプレスや胸・三頭・肩のトレーニングを何回やるかという問題も出てきますが、
一般的に言われている週2~3日がきつい場合は、決して無理をしなくてもいいのでまずは筋肉痛や疲労度合いを常に確認しながら週1~2日からやり始めてみるのがいいかもしれません。
筋肥大/筋力向上なら
逆に筋肥大・筋力を向上をメインとする場合は、
なるべく1週間の中でやる頻度を多く取り入れた方が筋力も筋肉量も増えやすいという大学の研究論文も出ています。
なので疲労具合を考えながら週2~5日で、
- 筋肥大なら8~15回/3~5セット。
- 筋力なら1~6回/3~5セット。
- どちらもレストは90秒~120秒ほど/参考水準
まずはこれでトレーニングメニューを組んでみることをオススメします。
※👆これも1種目でのメニューですので、+2~4種目同じ部位の種目を加えます。
⇒平日毎日ベンチプレスを取り入れているという方もいますし、週に1~2日間で一日のセット数を多めに設定するという方などいるため、ご自身目的に合うメニューを組んでいきましょう。
題名
- ダイエットなら10~20回で3~5セット/週1~3を目標にしてみよう!
- 筋肥大なら8~15回で3~5セット/週2~4を目安にやってみよう!
- 筋力なら1~6回で3~5セット/週2~4を目安にやってみよう!
レスト(休憩時間)に関しては、息が整ってきたぐらいで次のセットに行くと良いでしょう。
あまり厳密に60秒や90秒というのは難しいため、基本どの目的別であっても自分の呼吸の落ち着き具合を見ながら調整してみてください。
ベンチプレスのギア
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ベンチプレスをすると時にベルトを使用する人もいますが、基本的に体幹が動く種目ではないため、メインギアは手首を保護するリストになります。
- 耐久性
- コスパ
- 使い勝手の良さ
の3点に着目してこの下のをオススメします。
ベンチプレスまとめ
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ベンチプレスは、スクワットやデッドリフトと並びビッグ3と呼ばれている代表的なトレーニング。
パワーリフターの世界でも、数あるトレーニング種目の中から、この3つのみで世界の強豪たちと競い合います。
有名で人気な反面、負荷を掛けやすいため、ケガに悩む人がいつの時代も絶えません。
きちんとフォームを理解し、何度も何度も練習をしてから、漸進的に負荷を上げていってほしいと願うばかりです。
※僕も無理をして、肩鎖靱帯を捻挫しました。。。肩を壊したため、約2週間右腕が全く使えなかったです(^^:)
皆さんは気を付けてベンチプレスライフを送っていきましょう!
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